東京オリンピック・ファンファーレ

東京オリンピック。1964年(昭和39年)10月10日開会式です。
前日までの雨模様が吹き払われた国立競技場(その時にできたのですよ)の上空に描く、航空自衛隊F86ブルーインパルスの五輪カラースモーク。

環状七号線もその時にできました(この道路に面する立正佼成会の大聖堂や普門館、法輪閣等もそれから続々と落成したのです)。異形な吊屋根が特徴的な、丹下健三設計による代々木体育館や、重量挙げ、レスリング、バレーボール等をやった駒沢「オリンピック」体育館、今では高級住宅街のど真ん中となった世田谷区の馬事公苑なども、その時にできたものです。マラソンは国立競技場から甲州街道をひた走り、飛田給の味の素スタジアム(当時は当然ない)前で折り返しをしました。今はそこに記念標識が立っています。

三宅義信、遠藤幸雄、ベラ・チャスラフスカ(「オリンピックの名花」)、円谷幸吉、アベベ・ビキラ(「走る哲学者」)、山中毅、木原光知子、田中聡子、ドン・ショランダー、ドーン・フレイザー、日本女子バレーボール(「東洋の魔女」)・・・。とヒーロー・ヒロインの名前やキーワードを並べただけで、時の流れを感じて何だかウルウルしてきます。若い人とのコンパで話が合わない時、「東京オリンピックを知っている者」の小グループで盛り上がったりして。ジェネレーションギャップを感じてしまいます。

ちなみにこの年の7月にはアメリカのレインジャー7号が月面に硬着陸(衝突-勿論ばらばらになりました)に成功しました。人工物体による月とのファースト・コンタクトです。

閑話休題。
東京オリンピック・ファンファーレも、この時に作曲されました。
オリンピックのファンファーレは大会ごとに作られます。今までに沢山の曲を聞きましたが、どれもこれも何だかお臍が笑い出しそうなものに聞こえました(自衛隊の起床ラッパか?)。それに比べるとこの曲は、洋楽の様式に則った四拍子の曲で、トランペットにより吹奏される哀愁を帯びた旋律は印象的です。オリンピック・ファンファーレの中では一番気に入っています。史上最高の名曲ではないかと。

笙の合竹譜に採譜・移調してみてビックリ。シンプル!理屈どおり!そして何と平調ピッタリ! しかも敢えて四拍子にせずフリーリズムにして、一合竹を一拍で吹くと、日本の伝統的な和歌の五七調のリズムに揃うではありませんか。この五七調を意識して吹くと、旋律のめぐりがいかにも大和歌ふうで、実に和楽器で奏するのに相応しい。

乞凡乙十行
凡十行比凡
乙凡一凡乙十下
乙凡一凡乙十下
乙引下凡乙十下
乙引
(十は「双調の十」)

ラ レ ミ ソ ラ
レ ソ ラ ド レ
ミ レ シ レ ミ ソ ♯ファ
ミ レ シ レ ミ ソ ♯ファ
ミ - ♯ファ レ ミ ソ ♯ファ
ミ - -

「東京オリンピックを知っている」笙メンバーで、式典の際に奏してみたいと思います。 
T.O. 

コメント

  1. T.O. より:

    <訂正>
    東京オリンピックの重量挙げ会場は渋谷公会堂(C.C.レモンホール)でした。
    バレーボール・レスリング : 駒沢オリンピック体育館
    体操 : 東京体育館
    水泳 : 国立代々木競技場第一体育館
    バスケットボール : 国立代々木競技場第二体育館

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